正大的実「せいだいてきじつ」と読む。

偏ることなく、正しく堂々とし、
   的確に事実を捉えること


この言葉は、吉田松陰が長沼流兵学の大家、清水赤城に送った手紙にある。
その時吉田松陰18歳。清水赤城82歳。


「先生の学、宏達疎通(こうたつそつう)、其の変化妙用、議論の間に溢る。
有志の士其の業を成さんと欲する者は、一たび先生の門に踵(いた)りて、
其の正大的実の議論を聞かざるべからず」



清水赤城先生の学問は、広く物事に達し、さわりなく通じている。
その変わり改まる不思議なさまは、議論のうちに溢れている。

志を持つ武士で、その学問をなし遂げたいと望む者は、一度は先生のところへ行き、
かたよることなく、正しく堂々とし、的確に事実をとらえた先生のお考えを聞かなければならない。



18歳の青年が、兵学の大御所に手紙を出す勇気に驚くが、
日本の未来を見据え、正しく歩む吉田松陰の炯眼にも驚くばかりである。




0810
青々と
光り輝く
夏の草
【まどか】