万事入精、「ばんじにっせい」と読む。

万事に丹精を込めていく。
あらゆることに誠心誠意を尽くしていく。

今から約400年前に住友家初代住友政友が遺した商いの心得「文殊院旨意書(もんじゅいんしいがき)」の冒頭の言葉とされる。

 商事は不及言候へ共万事情ニ可被入候
  一、何ニ而もつねのそうばよりやすき物 
    持来候共根本をしらぬものニ候ハゝ少もかい申間敷候左様之物ハ盗物と可心得候
  一、何たるものにも一やのやともかし申まし又あミかさにてもあつかましく候
  一、人のくちあいせらるましく候
  一、かけあきないせらるましく候
  一、人何やうの事申候共気ミしかくことはあらく申ましく候何様重而具ニ可申候巳上

万事入精に話を戻すと、
「商事(あきないごと)は言うに及ばず候(そうら)へども 万事精に入れらるべく候」
すべてのことについて心を込めて丁寧慎重に励むように戒めている。

少し頑張ると人間って慢心してしまうもの。
図に乗ったら、そこで成長は止まる。
万事に丹精を込めていくという教えは貴い。

「住友事業精神」は、その後明治期に「営業の要旨」として2か条に纏められた。

 第一条 我が住友の営業は、信用を重んじ確実を旨とし、以てその鞏固隆盛を期すべし(信用確実)
 第二条 我が住友の営業は、時勢の変遷、理財の得失を計り、弛張興廃することあるべしと雖も、苟も浮利に趨り、軽進すべからず(不趨浮利)

住友銀行本店営業部や住友商事は一時期頻繁にお邪魔していた。
あの凛とした空気感はほかでは味わえないものだ。
真剣に商売に取り組んだ時に生じる空気感なのだろう。

今日も、目先の利益:浮利に走らず、信用第一で取り組みたい。

文殊院旨意書

住友電工(経営理念)






0607
雨音に
咲く花歩く
道の色
【まどか】